フィンランドのジュース、グランディを紐解く

iPad ProとApple Pencilを購入して以来、久々にイラストを描いています。大学院生時代に、フィンランド滞在日記の隅にちょこっと添えていたのがきっかけで描き始めたイラスト。最近はほとんど描くこともなくなっていたのですが、5月にLINEスタンプを作ったことがきっかけでまた描こうかな〜という気分になっていました。更にその頃、ちょうど新型iPad Proが発売になったことで旧型がアップルの整備済み品に出ているという情報を聞き、しばらくチェックしていたら欲しいスペックが登場。勢いで買ってしまいました。Apple Pencilを手に入れるまでしばらく箱の中で眠っていたのですが、夏休みになると共にやっと使い始めたというわけです。

ブログ用にいくつかのイラストを描いてみた後、なんだか久々にフィンランドのパッケージ変遷イラストを描きたくなり、選んだのがヴァリオ社のグランディ(Grandi)というジュース。パッケージオタクは未だ健在なようです。せっかくなので、古いパッケージの画像を探しながら調べたことをまとめてみることにします。

1971年に発売になったパックジュース、グランディ。これについて調べていると、商品のキャラクターを長らく務めていたカリ・グランディという人物に出会います。サファリジャケットに身を包んだ彼が初めて登場するのは、テレビコマーシャル。と言っても、商品発売当初から出ていたのではなく、初めの頃のCMは、自転車に乗って森へ出かけた家族がジュースを飲むという至って普通の設定でした。細かい年代は分かりませんが、その後しばらくして、突然方向転換し1920年代の無声映画仕立てになると共に、冒険家カリ・グランディは現れるのです。

1970〜1980年代までのパッケージは至ってシンプルで、果物やベリーなど、そのフレーバーのイラストが描かれていました。しかしながら、その後、CMが好評だったのかカリ・グランディはパッケージにキャラクターとして描かれるようになり、パッケージの顔としても長らく活躍するようになります。

1990〜2000年代には、当初フルーツのみだったフレーバーにオレンジ・コーラやアップルキャンデイ、バナナなど色々と追加され始めます。現在販売されているのは、ラズベリー、オレンジ、苺、洋梨、そしてオレンジ・コーラの5種類なので、生き残ったのはオレンジ・コーラくらいで他は廃番になってしまったようです。ちなみに2000年代のパッケージは、カリ・グランディ自体は小さくデザインされるようになりますが、フレーバーによって車や飛行機、気球に乗っていたりと結構バラエティ豊かな時期だったりします。

2009年にヴァリオのロゴがリニューアルされた後、グランディのパッケージも新しくなり、多分この頃に実写版のCMも終わります。それまでのちょっとゆるキャラ感があったカリ表情は凛々しい雰囲気に。そして2013年、ついにカリ・グランディはパッケージからその姿を消しラクダやカンガルーなど動物シリーズに代替わりします。しかしながら、同時期に発売された大人向け商品、グランディ・フレッシュにシルエットとしてデザインされていました。フレッシュはストロー付きの小さなパックタイプはなく、250mlサイズだけの展開だったのですが、先ほどヴァリオのサイトを見たら無くなっていたので、すでに生産終了している模様。つまり、カリ・グランディはすでにその長い歴史に幕を下ろしていたのです。この動物シリーズのパッケージデザインは現在も使われているので、そろそろ7年。近々またリニューアルがあったりするのでしょうか。グランディの今後も楽しみでなりません。