14時半からユヴァスキュラにあるムーラッツァロ実験住宅のツアーガイドを予約していたので、それに間に合うように10時前にはAirbnbを出て自転車でムーラメ教会へ、セイナッツァロへ移動し、図書館と村役場を見学してからムーラッツァロへ向かうというのがこの日のプラン。7時には目が覚めたので、母屋横のテラスで前の日に買っていた大好物のヴィーリを食べて出発の準備をしていたら、ホストのメルヤが自転車に乗るならヘルメットを被った方が良いよと持ってきてくれました。朝露で湿ったヘルメットを被り、アリが貸してくれた電動自転車に乗っていざ出発。まずはムーラメ教会へ向かいます。



宿泊先からムーラメの市街地までは目印なんてない、ほぼ森の中みたいな道のりだったけれど、前日にサイクリングをしていたおかげで、教会へも割とスムーズにたどり着くことができました。アアルトがまだ20代の頃、1920年代に設計した教会のうち唯一実際に建設されたムーラメ教会。2016年には内装、外装共に修復工事が行われたそうです。アアルトと言われてぱっと思い浮かぶスタイルになる前のものだからか、知らないとアアルト建築だとわからないかも。素朴な外観とはうって変わって、礼拝堂は天井が赤と青、会衆席はブラック、とコントラスト強めな空間だったのが少し意外だったので、帰国後に調べてみたら、以前は天井も会衆席もナチュラルウッドだったようです。リニューアル後の今の内装は、心なしか奥の壁画の色味に近いような気もします。


さて、ここからアアルトの代表建築のひとつであるセイナッツァロの村役場まで7.5kmのサイクリングスタートです。教会から市街地のほうに自転車を走らせていたら、前日にアリが教えてくれたセカンドショップ&カフェの横を通ったので、入ってみることにしました。洋服から日用品までざっくばらんにひしめき合う店内にあるカフェスペースでは、地元の人がコーヒーを飲んだり、新聞を読んだり、まるで自分の家のようにくつろいでいます。あまりにもローカルな空間だったので、お茶をする勇気はなく、店内をぐるっと一周して外へ出ました。
目指すセイナッツァロとムーラッツァロはフィンランドで2番目に大きなパイヤンネ湖(1番は南東部にあるサイマー湖)に浮かぶ島。メルヤ曰く、ムーラメとを繋ぐ道は最近綺麗になったそうで、自転車で走りやすいように整備されていました。最初の30分くらいは木々に囲まれた、ただただ真っ直ぐで簡単な道だったのですが、しばらくすると道も増え、逐一止まってグーグルマップで確認しながら、とにかく自転車を漕ぎ続けました。そして、本土と島をつなぐ橋を渡ると一気に街になり、道中ほとんど見かけなかった、お店や住宅などが増えてきて一安心。いよいよセイナッツァロの村役場に到着です。


役場のオープンまで時間があったので、まずは最近リニューアルしたという図書館へ。


スタッフの人に写真OKか聞いたところ、もちろん!とのことだったので、邪魔にならない程度に撮影させてもらうことにしました。1階には貸し出しカウンターがあり、その奥が事務所になっているようで割とコンパクトな空間。 家具はもちろん、ほとんどアルテック製品。正方形の81C(多分)や円卓90Aテーブル、チェア69にアームチェア45、タンクまで置かれています。



2階に上がると最初に目に飛び込んでくるのが、セイナッツァロの図書館のためにアアルトがデザインしたA201ペンダントライト。1灯、2灯、3灯と3つのバリエーションがあり、その全てをここで見ることができます。アルテックのwebサイトでペンダントA201について書かれているページにはリニューアル前の2階の写真が掲載されているので、見比べると楽しいです。カウンターや書棚だけでなく、照明の配置も結構変わっています。

階段を登った左手側にはキッズスペースが設けられていました。子供用チェアN65とそれに合わせて脚がカットされた91テーブル。そういえば、タンペレで泊まったヘリの家のリビングでもソファテーブルとして脚がカットされたアルテックの円卓が置かれていたっけ。


コートラックの横にある扉を開けると、役場の入り口につながる中庭に出ます。役場のオープン時間も近づいてきたので、そのまま図書館を後にしてエントランスへ向かいました。
Muurame church
Sanantie 7, 40950 Muurame
Säynätsalo Town Hall
Parviaisentie 9, 40900 Säynätsalo