シエ二の季節

フィンランドではメジャーでも、日本では入手困難な食材はたくさんあります。例えばサーモンスープに必須なハーブ、ディルは八百屋さんや特殊なスーパーでしか見かけないし、ベリー類、フサスグリやグースベリーは名古屋ではなかなか手に入らない。秋の味覚キノコもフィンランドと日本では採れる種類が全く違います。

フィンランドの森で採れるキノコはとても豊富。私はカンタレッリ、スッピロバフベロ、コルバシエニくらいしかわかりませんが、その中でもフィンランドが好きな人なら一度は見たことがあるであろうカンタレッリ(和名だとアンズダケ)という黄金色のキノコはとても美味しいです。夏の終わりから秋にかけてスーパーマーケットや市場に並び始めるこの黄金色のキノコは、クリームチーズのフレバーや粉末スープなどで一年中楽しむこともできます。

クレム ボンジュール(Crème Bonjour)のクリームチーズは、昔友人にお勧めしてもらって以来お気に入り。名前は完全にフランス語ですが、1984年から続くフィンランドのブランドみたいです。ここのクリームチーズはカンタレッリ以外にもたくさんのフレーバーがあり、旅行中に台所つきアパートに滞在するのであれば、100gの小さいパッケージもあるのでライ麦パンとハムも買ってきて朝食にするのお勧め。ランミンクッピ(LÄMMIN KUPPI)というインスタントスープは、フィンランドオススメのお土産などでもよく紹介されているので知っている人も多いかもしれません。他にもサーモンやベリーのスープなんかもあって色々試すのが楽しい。日持ちするから買いやすいですしね。

キノコで思い出すことといえば、2014年のフィンランド滞在中に友人が誘ってくれたキノコ狩り。バスに乗ってヘルシンキの隣町エスポーにあるヌークシオ国立公園へ行き、雨でしっとりとした森の中をズンズン進んで、キノコを探します。ひょろっとした茶色いキノコや、いかにも毒を持っていそうな真っ赤なキノコ、掌くらい傘が大きなキノコがそこら中(といってもよく探さないと見逃す程度)に生えていて、その中から友人が本で調べて食べられるものだけをピックアップ。キノコの知識が皆無だった私は、大人しく絶対安全な夏の残り物のベリーを摘んでいました。ヘルシンキに戻ってきてみんなで調理して食べて。懐かしい。もう6年も前なのか。フィンランドの秋ってあまり旅行シーズンではない思われがちだけど、9月はデザインウィークもあるし、紅葉も綺麗だし、気温はだいぶ下がるけど冬よりは行動できる時間も多くて結構楽しい。夜遅くまで明るくて賑やかな夏も大好きだけど、静かな秋も捨てがたいのです。