プチトリップ最終日 [FINLAND TRIP DAY9]

ムーラメに着いた日、ホストの友人アリが見せてくれた、Aamusumu(アームスム-朝霧)の写真。湖の上に霧がかかったその景色はとても印象的で、ぜひ自分の目で見てみたいと思いました。朝霧が見れるのは早朝ということで、ムーラメ最終日、なんとか4時に起きてまだ薄暗い外へ。

日中は暖かい日が続いていたけれど、明け方は流石にまだ寒かったのでパジャマの上にジャケットを羽織り、宿泊棟から歩いてすぐの湖へ向かうと、そこには今までに見たことがない光景が広がっていました。頑張って起きた甲斐があった、そう思えるくらい美しく、絵画みたいな景色でした。この、水面に霧が出る現象は、冷気が暖かい水面に流れてきた時に発生するらしく、日本では蒸気霧や気嵐と呼ぶそうです。しばらく湖の上に広がる景色を眺めていたら、すっかり体が冷えてしまったので、部屋に戻りもう一度眠りにつくことにしました。

この日はホストのメルヤに車でユヴァスキュラまで送ってもらう約束をしていたので、7時頃に再び起き、身支度をしてから朝食を持ってテラスへ。ただテーブルと椅子が置いてあるだけなんだけど、森を眺めながら食べる朝食は格別です。そろそろ帰る準備をしようかと部屋に戻る道すがら、ちょうど犬の散歩から帰ってきたホストのメルヤと鉢合わせました。

彼女は水曜日は朝10時からサウナの準備があるから忙しいとか、男たちが全然働かないから大変だとか、ひとしきり愚痴った後、こっちにMetsämarja(メッツァマルヤ-ワイルドベリー)があるからおいで、と私を呼びました。彼女の方へ向かい指差す先を見てみたら赤くて小さなベリーが。食べても良いよと言われたので、数粒摘んで口に入れてみたら結構酸っぱい。自然そのままって感じ。ブルーベリーもあるのかと聞いてみたら、それはまだ少し早いらしいです。そして、「ユヴァスキュラへ送る途中にニワトリの餌を買いに行きたいだけど良い?できれば運ぶの手伝って欲しくて」と言われたので、なぜか一緒にホームセンターへ行くことになり、ちょっと、というかかなりローカルな雰囲気まで味わえてラッキー。車内では、旦那さんが将来、敷地内に日本庭園を作りたいと言っているから、今度本をプレゼントする予定なのと言っていて、愚痴りながらもやっぱり仲は良いんだなあなんて思いつつ、いつか庭が完成したらまた泊まりに来るねと言って別れました。

この日の目的地は、2023年5月に完成したばかりのAalto2。メルヤが建物の前まで送ってくれたので、オープン直後に中に入ることができました。このAalto2は、元々別の建物として存在していたアアルト設計のフィンランド中央博物館とアルヴァ・アアルト博物館の間を増設して繋げ、2つを合体させた施設で、新しく作られた部分はA-Konsultitという設計事務所が手掛けいます。調べてみたら、最近改修工事が完了したハカニエミのマーケットホールと同じ事務所のようです。

入り口横の展示室で行われていたサウナの企画展を見て、新設部分を通ってアアルト博物館側へ。展示内容よりも建物が格好良過ぎてそればかり見ていました。

美術館の隣にはユヴァスキュラ大学があったので少し覗いてみたのだけれど、どこまで入って良いのかがわからないし、荷物が重くて疲れたので、駅に向かうことにしました。道すがらにどこかカフェにでも入ろうかなあなんて思いながら歩いていたら、公園の中にアイスクリームスタンドを発見。天気も良かったので、アイスを買って公園のベンチに座ってしばし休憩をしてから、再び駅へ。スーパーで軽食を買って電車に乗り込みました。予約していたチケットが、進行方向と反対向きに座る席でシマッタ〜と思っていたら、タンペレあたりでいつの間にか向きが変わっていてびっくり。一体どういう仕組みなんだろうか?

17時前にヘルシンキに到着、ひとまずAirbnbのホストに連絡して、部屋に向かいます。旅の後半は中央駅の西側 Taka-Töölö(タカトーロ)エリアに滞在してみました。トラムの停留所からは少し遠いけれど、バスで動くには便利だし、前半に泊まっていたソルナイネンより治安が良いので雰囲気もいい。アパートの前でしばらく待っていたら、ホストが現れて部屋まで案内をしてくれたのですが、世間話を少しして、「じゃあこれが鍵。楽しんで!」とだけ言い、颯爽と去って行ってしまったので拍子抜け。ゴミ出しのこととか説明されるかなと思ったけど、本当に何もなくてちょっと面白かったです。部屋は、私の思うザ・フィンランドの都心にあるコンパクトなワンルームという感じで、とても好みでした。これまでの宿泊者たちが置いて行ったのであろう調味料なが置きっ放しなのもありがたい。少し休んでから預けていたスーツケースを受け取りに友人宅へ。荷物を受け取って、スーパーで少し買い出しをして部屋に戻りました。