フィンランドらしからぬ午後[FINLAND TRIP DAY5]

天気が悪かったらゲームセンターへ行こう、と誘ってくれた友人たちとの待ち合わせは14時だったので、昼前にアパートから歩いてすぐのKahvila Sävyというカフェへ行ってみることにしました。この旅ではシナモンロールをたくさん食べるんだ、と話したらヤーッコがお勧めしてくれたお店。グーグルマップで調べてみたら自分でもピンを指していた場所でした。地下鉄ソルナイネンから徒歩5分ほど、中央駅からはバスで15分くらいの場所にあります。フィンランドのカフェは、大型のチェーンでも小さな個人店でも先注文先払いがデフォルト。このカフェでも、扉を開けて目の前にあるレジでまずは注文をします。

頼んだのは勿論シナモンロール、とカフェラテ。Kahvila Sävyのシナモンロールは見ての通りかなり平たいです。フィンランドのカフェで平たいシナモンロールは時々見るけれど、膨らんでるタイプとは粉の配合が違ったりするのでしょうか、それとも成形方法?ちょっと気になります。コーヒーはGood Life Coffeeの豆を使っているそうです。Good Life Coffeeは以前カッリオ地区にあったカフェだったのですが、すでに閉店していて今は焙煎だけをしているみたい。シナモンロールもカフェラテも最高に美味しくて、居心地も抜群。店内、テラス席共にお客さんでいっぱいなのも頷けます。何時でも注文できるブレックファストメニューなんていうものもありました。

朝なのか昼なのか良くわからない時間の食事を済ませ、アパートへの帰路をブラブラ歩いていると、道の端にカラフルなキックボードがたくさん止まっているのが目に止まりました。そう言えば街中にもたくさん置いてあったっけ。どうやら、これらはレンタルの電動キックボードで決まった返却場所がないらしい。全てのキックボードがGPS管理されていてアプリで何処にあるかが分かるそうで、そこら中に停めてあります。前回フィンランドに来た時はあまり見かけなかったから、ここ数年で一気に増えたのでしょうか。友人に電動キックボードって流行っているの?と聞いたら、そうだけど、結構危ないし町中に乗り捨ててあるから、あまり好きじゃない、と言っていました。使用が禁止になった国も多いし、賛否両論系の交通手段という印象です。

そうこうしている内に友人たちとの待ち合わせ時間が近づいてきたので、ヘルシンキの北側にあるマルミという場所へバスで向かいました。曇り空だったけど雨は降っていなかったので、傘を持たず出発したら、バスに乗っている間にどんどん雲行きが怪しくなり到着する頃には大雨、というか土砂降りに。あまりの激しい雨にバスを降り唖然としていると、待ち合わせ場所に来た友人たちが、雨予報の日は常に傘持ち歩かないとダメだよーと笑いながら傘に入れてくれました。フィンランド人はあまり傘を持ち歩かないイメージだったけど、そういうわけでもないらしい。

マルミというエリアは私の中で住宅街という印象が強かったので、今日のメインイベント(?)であるゲームセンターがあるなんて全く想像がつかないまま歩き、ここだよと言われ見えてきたのはただの倉庫。ひとりでは絶対来ないような場所だなあと思いながら中に入ると、だだっ広い空間にゲーム機がずらりと並んでいます。日本だと遊びたいゲーム機にその都度お金を入れるシステムが一般的だと思うのですが、このSUGOIというゲームセンターは大人12ユーロで遊び放題です。しれっと書きましたがSUGOIという店名もだいぶ面白い。太鼓の達人、マリオカート、格闘ゲーに音ゲー。結構いろんな種類のゲーム機があって、どれも子供の時ぶりだったので懐かしいな〜なんて思っていたけれど、周りはフィンランド人の大人だらけでなんだか妙な気分です。

2時間ほどゲームをして遊び、お腹も空いてきたので再びバスに乗り込んで、イタケスクスにあるBen's Wayというアジア料理好きな友人おすすめの中華料理店へ向かいました。イタケスクス(Itä=東、Keskus=中心)は、ヘルシンキの東側にあるエリアで、地下鉄の駅周辺にはItisというショッピングモールや大型スーパーのKシティマーケットなんかがあります。私たちはそれらをスルーし、どんどん人気のない方向へ。歩きながら友人が「あの店、美味しいけどフィンランド語があまり通じないんだよねー」というのでどんな店かと思ったら、店内は完全に中国。厨房では中国語が飛び交っています。さらにここでフィンランドに住む日本好きなアメリカ人の友人が合流し、私たちの会話もフィンランド語、英語、日本語と言葉が入り乱れ、楽しくも不思議な時間でした。アメリカ人の友人と会うのは10年以上ぶり。フィンランドで家庭を持ち長らく住んでいる彼ですら、フィンランド人が2人以上いると会話のスピードが早すぎて、ついていくのが難しいと言っていて、友人たちの会話からしばしば置いてけぼりになって落ち込んでいた私は、いや、本当そうだよね、と頷きが止まりませんでした。

麻婆豆腐やナスの炒め物など美味しい中華をみんなでシェアし満腹でレストランを出たものの、なんだかアイスとか食べたいよね〜となり、Kシティマーケットで最近フィンランドで流行っているというモチアイスを買ってデザートにしました。Kグループのプライベートブランドであるピルッカのものにしてみましたが、他のメーカーからも出ていたし、別日に立ち寄ったスーパーでは小分けで売ったりしていて、日本の雪見だいふくより種類は豊富でした。帰りはイタケスクス駅から地下鉄でセンターへ。2013年の夏をヘルシンキで過ごした時、イタケスクスより更に東のラスティラというエリアの学生アパートから語学学校まで毎日この路線に乗っていたので、車窓から見える景色がとても懐かしくて、ああ、これがエモいっていう感情なのかな〜なんて思ったりしました。(ヘルシンキ地下鉄は、カラサタマ駅以東地上を走っている)友人たちとはそのままバイバイする予定でしたが、一人がこのままパシラにあるショッピングモールに行くというので、綺麗になったパシラ駅を見てみたかったし、ザリガニパーティグッズも探したかったので一緒についていくことに。

パシラは、ヘルシンキからエスポーやヴァンターなどの近郊エリア、そして、タンペレ、ロヴァニエ等様々なエリアを繫ぐフィンランドの鉄道VRの全ての電車が止まるハブ駅です。数年前までは乗り換えのためだけの駅という感じでしたが、2019年にトリプラという巨大ショッピングモールが完成し、かなり便利なエリアになったようです。トリプラショッピングモールにはマリメッコやイッタラ、ペンティックなどのショップからヘスバーガー、ロバーツコーヒー、アーノルドなどの飲食店まで多くのザ・フィンランドなる店舗やスーパーマーケットも数店入っているので、さくっとお土産を買ったり食事をしたい時にも良さそう。パシラがすごく変わったというのはちらっと聞いてはいたけど、実際に駅構内、そしてモールに入り、賑やかな雰囲気に本当にびっくりしました。広いモール内をぐるっと見て周り、無事ザリガニグッズも発見できたので友人と別れてアパートへ。翌日からタンペレへ向かうので4泊したソルナイネンのアパートともお別れ。小旅行用の荷物を準備して眠りにつきました。

Kahvila Sävy
Aleksis Kiven katu 12, 00500 Helsinki

Sugoi
Teerisuonkuja 7 C, 00700 Helsinki

Ben's Way Chinese Restaurant
Kauppakartanonkatu 10, 00930 Helsinki